スタディサプリと学研プライムゼミを4つのポイントで比較してみた結果
日本人なら誰もが一度は見聞きしたことがある教育事業・出版会社である学研。学研が出版する本を読んだことがない子供はほとんどいないくらい有名ですよね。その学研がついに映像授業の配信サービスを始めました。その名も「学研プライムゼミ」です。
学研プライムゼミは2016年当初よりメディア当てに予告されて、YouTubeにもCM動画が投稿されていました。そして2017年3月21日より正式にサービスがスタートしました。
そこで今回はスタディサプリと学研プライムゼミを比較してみました。比較ポイントはコンテンツの量、価格、授業の質、サポート体制の4つです。経済的な事情、性格、環境など人それぞれ異なります。だから何を重視すべきか、周囲に同調せず、自分に最良の一手を決める参考にしてください。
比較その1:コンテンツの量
学研プライムゼミとスタディサプリでは、それぞれどれくらいの講座が用意されているのか。どのレベルの大学を目指せるのかを整理してみましょう。
種類 |
講座名 |
科目 |
Z会の映像 |
センター対策 |
英語・数学・現代文 物理・化学・生物 世界史・日本史 |
難関大対策 |
英語・数学・現代文 物理・化学・生物 地理 |
|
荻野文子 |
古文 |
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スタディサプリ |
通年講座 |
英語・数学・国語 物理・化学・生物 世界史・日本史 政経・地理 小論文 |
センター対策 |
地学以外全部 |
|
志望校対策 |
英語・数学・国語 |
学研プライムゼミはコンテンツが乏しい
学研プライムゼミは基本的に「難関大」対策講座、「センター試験」対策講座、「古文」の3種類しかありません。つまり、私大の中堅以下は古文以外ないということです(笑)。また公民がないのでセンター試験対策や私大一般入試で政治経済や倫理を使う人は勉強できません。
授業は「ユニット」単位で進行します。各ユニットは90分×5回です。代表的な難関国公立大学英語の場合、以下の通り12ユニット+夏期講習+直前演習というスケジュールで、1年かけて映像が配信される予定です。ざっくり計算すると、90分の授業が60回と講習・演習授業という感じですね。
スタディサプリは万人向けのバランス型
スタディサプリは偏差値40~のスタンダード、55~のハイレベル、63以上のトップレベルの3つの難易度に分かれています。これだけ見ると「おっ」と思いますが、先に結論を書くと、難易度が複数ある分、1講座あたりの密度が万人向けになっています。
スタディサプリは1回の授業は大体50分前後です。理系科目と社会の通年講座は1講座あたり48~50回ほど授業がありますが、英語と国語は24回程度です。センター対策や志望校対策においては、1講座あたり10回前後がほとんどです。
しかし、通年講座→センター対策→志望校対策の順に受けていけばそれなりにボリュームのある授業を受けることができます。
比較その2:価格
次に、学研プライムゼミとスタディサプリを1年間(12ヵ月)受講した場合に発生する料金を比較してみましょう。学研プライムゼミは先ほどの難関国公立大学英語を受講したと仮定します。
学研プライムゼミ:187,920円~
スタディサプリ:18,960円
もはや比べるまでもありません。圧倒的にスタディサプリのほうが安いです。
スタディサプリは月額980円さえ払えば動画を見放題なので、これを1年分(12ヶ月分)。また、テキストは別売りです。通年講座は大体テキストが2冊あるので、3講座で6冊になります。テキスト1冊1200円なので、合計を求める式は以下の通り。
980×12+1200×6=18960
学研プライムゼミは1ユニット(90分×5回)が15,660円です。「難関大」対策講座はどれも12ユニット+講習・演習なので、年間スケジュール通り受けようとすれば、最低でも18万円以上かかる計算になります。これに講習・演習料金が加わるので、1科目20万円ぐらいと見込んだほうがよさそうです。
比較その3:授業の質
「授業の質=講師の質」についてまとめます。あくまで、私の個人的な見解ということに注意してください。
学研プライムゼミの授業の質
学研プライムゼミの先生は駿台や東進など有名な予備校で活躍していた先生が多く、授業はとてもわかりやすいです。価格を見てびびりましたが、確かにこの講師陣なら納得する人もいるでしょう。ただ、失礼な言い方ですが「旬を過ぎた先生」という印象もぬぐえず、やはり全盛期のパワーは感じられません。特に古文のマドンナ…と言われていた、荻野先生は歳を取られましたね(笑)
参考までに、2017年度のセンター試験の英語と数学の解説動画を載せておきます。問題を解いていない人はなんのこっちゃわからないと思いますが、先生の授業の雰囲気は伝わると思います。
スタディサプリの授業の質
スタディサプリの授業は初学者でもわかりやすい授業構成になっています。難易度が3段階(スタンダード・ハイレベル・トップレベル)用意されており、難関大へのステップアップも用意されています。
スタンダードは「全く勉強してこなかった(^p^)」という生徒向けで、ハイレベルは基礎が少しでもできている人が対象です。トップレベルでは偏差値63以上が対象ですが、Z会のようにすっ飛ばすような授業ではなく、一応1から説明します。そのため、難関国公立・早慶レベルの大学を志望する人にとっては物足りないと思います。
参考までに、スタディサプリの「高3英語 文法編」と「高3数学ⅠAⅡB」のサンプル動画をご覧ください。これらは90秒ほどのワンポイント(PR専用)動画なので特にレベルはありませんが、スタンダードレベルかハイレベルと想定して大丈夫です。
比較その4:サポート体制
映像授業で気になるのが、「質問ができるのかどうか」という点です。
学研プライムゼミ:授業内容に関する質問は一切不可能。
スタディサプリ:授業内容に関する質問は一切不可能。
残念ながら、両者とも授業や勉強に関する質問・相談をするサービスはありません。この点については仕方ないですね。
スタディサプリと学研プライムゼミの比較結果
最後にスタディサプリと学研プライムゼミどちらがいいのか、私なりの答えをまとめましょう。
- お金をかけて難関国公立・難関私大に行きたい→学研プライムゼミ
- お金をかけられない→スタディサプリ
- 全く勉強してこなかった、一から学びたい→スタディサプリ
- そこそこのレベルに行きたい→スタディサプリ
個人的には、何度も言っていますが、スタディサプリにはかわいい(綺麗な)先生がいます!私の推しは化学の坂田先生と、古文の岡本先生です。これだけでスタディサプリを選ぶ理由ができますよね?
坂田先生 |
岡本先生 |
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