スタディサプリの高3向け現代社会の講座紹介と評判
スタディサプリの現代社会はセンター試験対策講座として設置されています。通年講座ではありませんので注意してください。
講座を担当するのは伊藤 賀一(いとう がいち)先生です。伊藤先生は日本史と政治経済の通年講座も担当している社会科のエキスパートです。私は伊藤先生の日本史も政治経済も両方受けたことがありますが、かなり特徴的な先生です。
伊藤 賀一先生 |
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センター試験対策講座 現代社会 |
全10回 |
スタディサプリの現代社会の講座紹介
この授業は、文系・理系問わず、大学入試センター試験を「現代社会」で受験する人に、全範囲をざっと概観し、過去問を解いた、という経験値をつけてもらうためのものです。
勘違いしてほしくないのですが、決して、この授業だけで「学習指導要領の範囲内=教科書レベル=センター試験の出題範囲」の学習がすべて完了するわけではありません(65分程度×10回ですから)。
ただ、現代社会という科目を“鳥の目”で大きく見て、「効率のよいセンター学習法を伝授する」ことはできます。人によっては①対策のスタート②苦手分野の発見③基礎知識の確認などになるかと思います。どのようにでも利用してください。
授業一覧
- (1)青少年の現状 (2)青年期と労働問題
- (1)青年期と現代社会 (2)高齢化と社会保障・労働問題
- (1)高齢化と諸問題 (2)議会制民主主義
- (1)政治制度と地方自治 (2)地方自治と基本的人権の保障
- (1)日本の司法制度 (2)裁判と日本社会の諸問題
- (1)日本経済の動向と財政・金融政策 (2)経済における国家・企業の役割
- (1)国民生活と経済 (2)知的財産権と企業
- (1)コンビニエンス・ストアからみる社会・経済 (2)食糧・農業・環境問題
- (1)政党と選挙制度、安全保障問題 (2)国際社会の諸問題
- (1)国際社会の諸問題 (2)国際社会の諸問題
スタディサプリの現代社会の評判
今回私は第1講の「青年期」を受けてみました。青年期は現代社会独自の分野です。高校生にとっては正に今がその時期なので勉強しやすい分野でもあります。
まず結論から言うと、これだけで現代社会のセンター試験対策は不十分です。スタディサプリのセンター試験対策講座全般に言えることですが、教科書の内容は一通り理解していないときついです。テキストは過去問を集めたものに過ぎないので、テキストで勉強をすることはできません。先生の解説を聞いて、間違えたところで「なるほどね」とはなりますが、その間違えたところしかカバーできません。スタディサプリでは通年の現代社会の講座がないので、市販の参考書で事前に勉強しておき、秋~冬にかけて確認の意味でこの講座を受けると良いでしょう。
さて、それでは本題に戻りましょう。最初に現代社会の特徴として「リード文だけ読めば解ける」と言います。倫理では「問題文の内容と合致する選択肢を選ぶ」ことがありますが、現代社会の場合は「リード文のために問題文を作っているようなもの」だそうです。
伊藤先生の現代社会の授業は問題を解きながら解説をしていきます。解説はかなりスピードがあります。問題に関するキーワードを黒板に書いて、それを設問に絡めていきます。テキストに余白がかなりあるので、そこにメモを書きながら聞いていく感じです。解説は基本的事項だけでなく、発展的内容(知識の裏情報)もけっこう話していきます。発展的内容はチョークの色を変えています。難易度で【白→黄色→赤】と変えています。白と黄色は必須、赤は余裕がある人ですね。
とは言え、この講座で十分に試験範囲をカバーしているわけではありません。これは先ほども言いました。確かに伊藤先生の解説はわかりやすいですが、それはある程度勉強した人だから実感できることです。初めて勉強する人はたぶん、全く意味が分からないことでしょう。おそらくこの講座は国公立の理系志望者が受講すると思いますが、まずは自分である程度勉強しておいてください。そうであれば、なかなか勉強になる講座です。