スタディサプリとは一体どんなサービスなのか?

スタディサプリとは、株式会社リクルートが運営するWEB学習サービスです。スタディサプリのWEB学習は大学受験予備校と同じ質の高い授業をインターネットを通して配信し、利用者は自宅のパソコンやスマートフォン、タブレットなどで視聴する形式をとります。対象は主に高校生ですが、中学生や浪人生、社会人でも利用できます。

 

 

スタディサプリのコンテンツ

スタディサプリの主たるコンテンツは大学受験のための授業動画です。大学受験用の動画には、中学復習講座として中学1~3年生で学習する内容から高校3年生の内容までそろえられています。その他にも、英検、TOEIC、公務員試験対策用の動画が用意されています。これら授業動画は倍速機能があり、最高2倍速で視聴することができます。

 

また、授業動画にあわせた専用のテキストが用意されています。テキストはパソコンにダウンロードして自分で印刷するか、スタディサプリに発注して購入して入手できます。テキストがなくても授業は受けられますが、問題に書き込みができないなど不都合が生じるので、いずれかの方法でテキストは用意するほうが良いでしょう。

 

主たる授業動画以外にも以下のコンテンツがあります。

 

過去問

  • 大学入試過去問
  • センター問題集

大学情報

  • 大学検索
  • 入試検索
  • WEB出願
  • 学問研究ツアー

やるきプラス

  • ドラゴン桜
  • 先輩SNAP
  • 社会の挑戦者たち
  • カーン・アカデミー

未来の教育講座

  • よのなか科
  • プレゼンテーションの技術
  • iPhoneアプリプログラミング
  • WEBデザインプログラミング
  • お金では買えないもの
  • インベスターZを講義する
  • 大きくなったら何になる?
  • 田村淳の一流の方程式

暗記カード

(※アプリ専用)

  • 英単語サプリ
  • 日本史一問一答
  • 世界史一問一答

 

このように、スタディサプリでは主たる授業動画以外にも様々なコンテンツがあります。

 

特に私立・国公立大学やセンター試験の過去問を無料で利用できる点については、金銭的に制限がある学生に非常に好評です。また、やるきプラスでは、漫画「ドラゴン桜」の名言や受験勉強の豆知識がメールマガジンで送られてきたり、先輩SNAPでは志望大学の先輩からの熱いメッセージが送られてきたり、受験生のモチベーションを上げてくれるコンテンツが含まれています。

 

未来の教育講座はどちらかというと受験勉強からは少しはなれ、これから社会で生きていくために役立つコンテンツです。大学入試新制度に向けて「思考力・判断力・表現力」を身につけるアクティブラーニング講座「よのなか科」や、視野・視点を広げる教養講座など複数あります。

 

暗記カードとは、スマートフォン専用アプリのみに追加されている機能です。スマートフォンを利用して簡単に英単語や日本史、世界史の用語を勉強できるため、受験生に大きな好評を得ています。(古文や政経を追加してほしいという声もあります、いまだ実現せず)

 

スタディサプリの利用方法

スタディサプリには無料会員と有料会員の2種類あります。有料会員になるには、月額980円(税抜)を支払う必要があります。この2つの会員の違いは、授業動画の視聴可否、テキストのダウンロードの可否にあります。

 

 

有料会員

無料会員

授業動画

制限なし

サンプル動画のみ

テキスト

制限なし

ダウンロード不可

過去問

制限なし

制限なし

やるきプラス

制限なし

制限なし

大学情報

制限なし

制限なし

暗記カード

制限なし

制限なし

 

なお、スタディサプリでは月額制を採用しており、視聴できる動画数に制限はありません。そのため、かなり無茶ではあるが、2倍速で視聴すれば1ヶ月間だけで自分が必要な授業動画をすべて見ることが可能(かもしれない)。ただしスタディサプリでは、一つの講座につき1週間で1つの単元(授業)を受講することを推奨しています。

 

無料会員または有料会員になると、スタディサプリのサービスを利用することができます。利用方法は2つあります。スマートフォン専用のアプリを使用する方法と、ブラウザを使用してスタディサプリ公式サイト上で利用する方法です。アプリは当然スマートフォンでしか使用できませんが、操作が簡略化されており、また通信料が抑えられるというメリットがあります。またアプリオリジナルのコンテンツ「暗記カード」が利用できます。しかしアプリには以前より「動画が止まる」「音がずれる」などのバグがあります。何度もアップデートにて修正をしているようですが、アプリでは快適に動画を視聴できないという報告が少なからずあります。

 

上述のようなアプリのバグを踏まえて、できるだけパソコンのブラウザでスタディサプリを利用することを私は推奨します。またテキストをダウンロードして印刷する場合はパソコンでしかできないのと、「大学情報」「やるきプラス」「未来の教育講座」はブラウザでしか利用できません。ただし「暗記カード」はアプリ専用の機能なので、自宅に居るときと外出時にうまく勉強する内容、利用するコンテンツを切り替えると良いでしょう。

 

スタディサプリの授業について

スタディサプリの授業は基本的にスタンダードレベル、ハイレベル、トップレベルの3つのレベルごとに用意されています。ただし、科目によっては2つまたは3つ(全て)のレベルを合同して設置しています。レベルの基準に偏差値が用いられており、スタンダードレベルは40~50前後、ハイレベルは50~60前後、トップレベルは60後半となっています。このレベルはあくまで目安であり、実際に授業を受けた手ごたえによっては自由にレベルを変更しても良いと思います。また同時に2つのレベルを受講することも可能です。

 

2015年現在において、スタディサプリで受講できる講座は徐々に増えており、特に高校3年生向けに関してはほぼ全部の教科の講座が開設されています(地学のみない)。特に最近は既存のスタンダードレベルより初歩的な「入門編」がいくつかできており、幅広いレベルに対応している傾向があります。一方で、高校1年と2年の講座は英数国しかないにも関わらず1年と2年共同の講座であり、高校1年生からスタディサプリを始めた生徒は、2年生になっても同じ講座しかないという事態になっています。この点については利用者から大きな不満点として挙げられています。

 

その他では、他の大手予備校と比べて超難関大学に対してはあまりにも講座の層が薄いという問題点があります。トップレベルは一応偏差値60後半とされていますが、これはあくまで大きなくくりであり、旧帝大や医学部のレベルに十分対応できるかと言うと大きな疑問があります。特にこうした超難関大学は大抵十分な「対策講座」が設置されるものですが、スタディサプリの場合は英語または数学だけで、なおかつ授業時間数は1ケタがほとんどです。こうした超トップ層を囲いきれない点が今後のスタディサプリの課題といえるでしょう。

 

スタディサプリにかかるお金について

スタディサプリを利用することでかかる費用は基本的に月額利用料金980円(税抜)だけです。入会金、退会金などは一切ありません。

 

ただし、自分が受講する講座の専用テキストを購入する場合は、別途購入する必要があります。テキスト一冊につき980円(税抜)です。通年講座の場合、講座が前期と後期に分かれており、テキストも2冊必要になります。仮に通年講座を1つだけ受講する場合、毎月980円(税抜)を支払うのとは別に、テキスト2冊分の代金が必要になります。もちろん、テキストを自分で印刷するという方法もありますが、通常テキストは数百ページあるため、自宅のプリンターのインク代と印刷の手間、そして既製品と違いバラバラになりやすい点を踏まえると、素直に購入したほうが効率が良いでしょう。

 

スタディサプリを利用する際の注意点

さて、ここまで読んだ方は「スタディサプリはなんて素晴らしいんだ!」と思う方が多いでしょう。ただ、私はスタディサプリを利用する上であなたに注意しなければならないことが3つあります。第一に、スタディサプリはかなり受動的なサービスであり、自ら勉強しようという意志がなければ続かないという点です。実際にスタディサプリを利用した人たちによるスタディサプリの評判の中にも、この点を指摘する声が非常に多いです。スタディサプリは既存の予備校と違い、決まった曜日の決まった時間に決まった授業を受けなければならないという強制力はありません。スタディサプリで勉強しなくても、誰にも何も言われません(模試の結果が悪くて親に怒られるかもしれませんが)。

 

第二に、スタディサプリは基本的に一人という点です。予備校に通えばライバルが身近に見えるので緊張感が持続したり、時には友達と問題を教えあい充実した時間を過ごしたりすることがあります。「受験は自分との戦い」と言いますが、長い受験勉強を一人で戦い抜くにはそれなりの覚悟が必要です。この点については、予備校と併用したり、学校の友達と一緒にスタディサプリを勉強したりして対応している人も結構いるようです。

 

第三に、スタディサプリでは先生に質問ができないという点です。他の通信教育ではメールやFAX等で質問を受け付けているものもありますが、スタディサプリは一切ありません。そのため、勉強で何かわからないことがあれば、自分で解決する必要があります。この点については、予備校や学校の先生、友達に相談して解決する人がいるようです。